あなたのクレジットカード付帯の海外旅行保険は支払われないかもしれない!?

    

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夏の休暇を利用して海外旅行に行く人も多いと思う。知り合いの女の子たちも連れ立って、海外に行くのだという。日程やルート、お買い物マップまで用意して、それはそれで楽しそうで羨ましい。おせっかいで「保険には入った?」と聞いたところ(もちろん旅行保険のことだ)怪訝そうな顔。

そして、ひと言「みんな入っていないと思います」という答えが返ってきた。

楽しい旅行を前にそんなことを考えたくもないし、何よりわからないというのが本音だろう。”人は好ましくない、厳しい事実から目を背ける傾向にある”ということだ。

photo credit: Lotus Carroll via photopin cc

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自分だけは特別

先日の記事でも触れたけど、こういった根拠のない自信を持つのも無理もない。”自分だけは特別”なのだから。

人は誰しも心のどこかで自分が世界の中心だと思っているもので、いつも自分だけは”特別”だ。自分の見たり触れたりする世界がすべてで、それ以外の世界は存在しないのだから(あたりまえだ、知らないのだから)目の前に広がる世界がすべてのように錯覚してしまうのも無理はない。

そんな”特別な自分”に、血を流すような不幸が訪れるなんてことは、まったく想像ができない。
「安倍構想」とか「集団的自衛権」について、よくわからない?教えてやるからちょっとこっち来い。

国民皆保険制度がある以上、国内旅行で傷害保険に入ることなんてほとんどない。運が悪く怪我や病気になり医者に掛かったとしても自己負担額は、掛かった医療費の3割のみだ。高額療養費制度というものまであって、医療費が青天井になることもない。

旅行とはちょっと違うかもしれないと前置き。山で遭難した場合の捜索費用が高額なことで知られているから、山岳保険は割りと知名度がある。それでも、加入者は登山者全体の1%にも満たないのだという。
民間ヘリ「1分1万円」 雪山遭難の捜索費用「長期化なら青天井」 山岳保険も加入進まず

日本の常識、世界の非常識

海外旅行の話に戻ろう。日本は世界でみても社会保障が充実した国であるのは間違いがない。自由の国アメリカは社会保障の劣悪さで有名で、無保険もしくは粗悪な民間保険で高額医療を受けようものなら自己負担する医療費も目の玉が飛び出るほど高額になる。

自己破産の6割が医療費による破産だというデータもある。
医療保険制度改革 (アメリカ) wikipedia

外務省のホームページを見て驚いたのが、その金額の高さだ。誰もが一度は憧れる旅行先、ニューヨークで不運にも病院のお世話になったとする。初診料が安く見積もっても10,000円を超える。専門医なら30,000円~50,000円ほど。

ちょっと目眩がして、たとえば医師から貧血の診断を受けたとする。保存的療法で2日間の入院加療が必要という。これはいわゆる何も手術しないで投薬治療のみということなのだけど、請求書を見てびっくりすることになるだろう。なんと、その金額200万円近い。

米国の医療費は非常に高額です。その中でも,ニューヨーク市マンハッタン区の医療費は同区外の2倍から3倍ともいわれており,一般の初診料は150ドルから300ドル,専門医を受診すると200ドルから500ドル,入院した場合は室料だけで1日数千ドルの請求を受けます。

例えば,急性虫垂炎で入院し手術後腹膜炎を併発したケース(8日入院)は7万ドル,上腕骨骨折で入院手術(1日入院)は1万5千ドル,貧血による入院(2日入院,保存療法施行)で2万ドル,自然気胸のドレナージ処置(6日入院,手術無し)で8万ドルの請求が実際にされています。
外務省渡航関連情報

日本から一歩外へ出ると、医療は自己責任だ。これが世界の常識なのだけど、残念なことに手厚い社会保障があたりまえのぼくら日本人には、こういったことへの危機感が薄い。

後日談。冒頭の彼女は「付帯保険付きのクレジットカードを持っていく」ということにしたらしい。そこで、めでたしめでたし、とならないからこの記事がある。ここで誰もが陥る落とし穴があるから共有しよう。

あなたの保険が支払われない?

カード付帯保険のなかには、持っていくだけでは保険が適用されないものがある。カード利用条件というものを見落としているからだ。

具体的には旅行費用をカードで支払わなければならないということで、旅行費用の定義は「ツアー料金や飛行機など公共の乗り物の代金」となっている。旅先の飲食費やレンタカー代は含まれないから注意しよう。

旅行は自宅を出たときから始まり、自宅に戻った時に終了するものだから、自宅から空港までの交通費も「旅行費用」の一部となることに着目すると、このケースの回避方法が見えてくる。つまり、自宅から空港までの交通費をカードで支払えばいいということになる。

次に考えられるのは、現地で医療を受けようとした場合に手持ちの現金が足りない場合だ。キャッシュレス診療サービスに対応していないカードだと、まずは現地で医療費を自己負担して治療を受けたあと、改めて保険会社へ保険請求することとなる。これは、保険があるにもかかわらず、手持ちの現金が足りなかったばかりに医療が受けられないということを意味する。

海外の医療費が軒並み高額なことを考えると、手持ちの現金が足りないケースがほとんどではないかと思うのだけど。

よくある最大補償額の勘違い

カードに付帯する海外旅行保険を見て、まず目に飛び込むのが最大補償額という数字。大きければ大きいほど安心感はあるものだけど、これにもカラクリがある。まず、病気で死亡した場合は支払われれない。これは、怪我による死亡や後遺障害に対してのみ支払われるというものだからだ。

通常カードに付帯する無料海外旅行保険の、けがや病気に対しての補償額は100万円~300万円であることが多い。ところが、海外旅行保険が付帯すると宣伝するカードのなかには傷害・疾病の項目に補償がまったくないカードが存在する。

海外旅行保険が付帯するからといって、安易に飛びつき、内容をよくよく確認したらがっかりしたというケースを実際にぼくが体験しているので同じ轍(わだち)は踏まないようにしよう。これだって「がっかりした」で済めばまだいい。現地でいざ保険を使おうとしたときに気付いたなんてことでは笑うに笑えないはずだ。

人は事故で死ぬよりも病気で死ぬことのほうが多いし、死亡するよりも怪我や病気で入院する確率のほうが多いもの。怪我や病気の補償がない保険の掛け金が安くなる理由はここにある。

付帯保険の補償額を増やす方法

海外の医療費が高いことは、ここまで読めば、もうご承知の通り。となると、無料で付帯する海外旅行保険の補償額で高額な治療費をカバーできない場合もでてくるのではないか?という不安は拭えない。

ところが、この問題を解消するワザがあるのだ。それは、「海外旅行保険の付帯するカードを複数枚所持する」ということだ。保険会社は言いたがらないが、補償項目ごとの補償額を複数カード分合算できる場合が多い。つまり、200万円分の補償があるカードを2枚所有していると、合計で400万円分の補償が受けられることになる。カード発行会社が同じだと認められないので注意しよう。



単発の海外旅行であれば、まずは単独の補償がしっかりとした海外旅行保険を検討しよう。ビジネスなどの所用で頻繁に海外に行くなら(もちろん海外旅行もだ)、毎回の保険にかかる費用も無視できない額になるので、無料のカードに付帯する保険を検討するといい。

旅先での補償をカードに付帯する旅行保険で賄うなら、自動付帯のカード(持っているだけで保険が適用される)を複数枚持とう。カードを複数枚持つ理由は、足りない補償額を合算して補うためだ。利用付帯の(旅行費用をカードで支払うことで保険が機能する)カードであれば、自宅から空港までの移動費をカードで支払えばいい。

付帯保険付きカードは、キャッシュレス診療に対応しているものを選ぼう。そうでないと、場合によっては手持ちの現金を大量に用意しなくてはいけない。キャッシュレス診療はカード会社と提携している医療機関でのみ受けられるサービスだ。補償は傷害・疾病の項目が手厚いものがおすすめだ。

海外旅行保険のためのカード

海外旅行保険をクレジットカードの付帯保険で代用するためにはどのカードを選べばよいか。もちろん一枚では補償額が足りないので複数枚組み合わせることになります。

外せないポイントは3つ。

  1. クレジットカードの維持にお金をかけたくない。
  2. カードを使っていなくても保険が適用される。
  3. 現地での診療費を自己負担したくない。

このためには、

  1. 年会費無料
  2. 自動付帯保険
  3. キャッシュレス診療サービス対応

以上の3つを満たすカードを選べばよいということになる。このすべてを満たす究極のお手軽カードを2枚紹介します。


1、JCB EIT|年会費無料、自動付帯保険、キャッシュレス診療サービス対応、傷害疾病補償額100万円

2、漢方スタイルクラブカード|年会費初年度無料(2年目以降1,500円+消費税)、自動付帯保険、キャッシュレス診療対応、傷害疾病補償額200万円


これらクレジットカード2枚の付帯保険の傷害疾病補償額を合算すると300万円になります。この300万円という数字は海外旅行保険のとりあえずの補償額としては十分な金額と考えられます。

「漢方スタイルクラブカード」は初年度のみ年会費が無料なので注意してください。ただ、このカードはポイント還元率が異常に高くてメインカードとしても使えます。年間93,000円以上の利用額があれば、年会費をペイできるうえに、以降の買い物でザクザクポイントが還元されていきます。ですから、漢方スタイルクラブカードをメインカードにして、 「JCB EIT」を”持つだけのカード”にするのがお勧めの使い方です。

旅行保険は海外旅行に出かけるときに加入する保険です。日本国内であれば、国民健康保険などのなんらかの公的医療保険に加入していて医療費の7割がカバーできます。また、高額療養費制度があるおかげで、支払いが青天井になることもないのです。しかしながら海外では1泊2日の入院で300万円請求されることも珍しくありません。海外旅行では公的医療保険ではカバーできないリスクが存在するのです。

※これらの情報は更新時の情報です。詳しくは「海外旅行保険をクレジットカードの付帯保険で代用するためのカード」を紹介しているサイトを参考にしてください。

90日間を超える旅行はクレジットカードの付帯保険の適用外です。正規の海外旅行保険を契約しておきましょう。
海外旅行保険のAIU

さて、ぼくも実際に所持している「ニコスVIASOカード」が、ポイント還元率も高くておすすめだったのだけど、いま確認してみたら、ずいぶんと前から海外旅行保険の補償額が引き下げられ、利用付帯に変更になっていた。昔は最強のカードのひとつだったんだけどなぁ。

「得する生活 お金持ちになる人の考え方」(橘玲/著、幻冬舎/刊)

世界は不思議に満ちている。クレジットカードのカラクリもそのひとつ。教えてくれたのはこの本で、著者の言葉を借りれば、ぼくにとって、ささやかな驚きが詰まった本だった。


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