株式売買ノートの書き方を教えるから、これから株を始める初心者はしっかりと記録をつけようぜ

    

「株が上がっても下がってもしっかり稼ぐ投資のルール」(太田忠/著、日経ビジネス人文庫/刊)

「株が上がっても下がってもしっかり稼ぐ投資のルール」(太田忠/著、日経ビジネス人文庫/刊)の紹介。文庫本サイズながら、株歴14年以上のぼくが読んでも参考になることがたくさんある。

なかでも、株式売買ノートをつけるということは「なるほど、そうだ」と納得できる内容。具体的で詳しいことは本書を読んでいただくとして、少し記事の中で説明したい。

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投資のプロが選ぶオススメの一冊

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投資は必要か?

まず、はっきりさせておきたいのは、あなたが賢く豊かな人生を送るために投資は必要だってことだ。投資には2種類あって、それは、金融資産に対する投資と、人的資産(あなた)に対する投資だ。人的資産に対する投資は教育ということで、知識を蓄えることで、具体的にはビジネス書や専門分野の書籍を読んだり、セミナーに参加することで間接的にあなたの収入をアップさせることができるし、人生を賢く生きることができる。

次が本題で、ここで紹介するのは金融資産に対する投資、なかでも株に関するものだ。

投資の目的を決めているか

まず、何のために株式投資をするのか?ということだけど、それは資産運用のためだ。なにも、株じゃなくたっていい。投資といえば、ほかに為替や先物、債権も有名だし、あなたの持っているマイホームも不動産という投資。貯蓄だって、銀行が預金を運用して、利息をあなたに払うのだから投資といえる。

でもそのなかで、なぜぼくが株式投資なのかって考えると、夢があるし、いちばん自分がよく知っているからだと思う。あれもこれもと手を出したって、自分に理解できないものに投資するのは博打(ばくち)って言う。

資産運用の世界は魑魅魍魎(ちみもうりょう)が跋扈(ばっこ)する世界で、詐欺師が手をこまねいている世界だ。ぶっちゃけて言うと新たな市場参入者はたいていカモにされる。社会的に成功している賢い人だって安心はできない。頭脳の差が投資成績にダイレクトに返ってくるなら、世の中の富は、大学教授や知識人で独占されているだろう。だけど、現実はそうじゃない。アメリカ、ウォール街の神々と呼ばれたエリートたちを集めて設立されたロングタームキャピタルマネジメント(通称LTCM)というヘッジファンドの破綻がそのことを証明していると思う。

最初の段階において投資に対する定義づけが曖昧であれば、途中の段階でも曖昧のまま進行し、現在でも曖昧である、という形になってしまう。こうした状況にあると、資産運用そのものも曖昧になってしまうが、これは平均的な個人投資家の姿だろう。

実は「投資の目的」を決めなければ「投資のスタイル」すら本当は決めることはできないのである。

引用にあるように、投資の目的がはっきりして、将来いつまでにどれくらいの収益を見込むのか?ということを定めれば、その実現に対してとらなければいけないリスクだってわかってくる。目的が定まっていないのに投資なんてできっこない。当然ながら資金のすべてを投資に注ぎ込むというのはたちの悪い冗談でしかない。

生活の基盤になる資金をしっかりと確保したうえで、資産運用をはじめよう。要は、たかだか100万程度の資金で株なんて始めるものではないということだ。

株式運用ノートを作り記録を残す

記録の取り方、必要なモノの個人的な最適解

本題だ。ぼくは、こういう面倒なことが長続きする性格ではないので、何度も中断している。エクセルで売買記録をつけてみたり、ブログで売買結果を公開してみたり。とにかく色々なことをやった。エクセルなどの表計算ソフトに記録を残すというのは、きれいで満足いくのだけど、見返すとなったとき、思考の過程が見えてこない。見返すときもPCを立ち上げるという一手間が必要で、すぐには取り掛かれない。

ブログで売買を公開していた時期もあったけど、アクセスを集めるのが目的にすり替わってしまい、続かなかった。結局、紙のノートとペンで手書きするというのが、ぼくなりの最適解。 とにかく簡単に、数行でいい。自分なりに続くスタイル模索することだ。

いま思い返してみて、売買ノート書いていた時期は、トレードの成績も安定していた。

売買記録に書く内容

「株が上がっても下がってもしっかり稼ぐ投資のルール」(太田忠/著、日経ビジネス人文庫/刊)

  • 新規売買ー「銘柄」「株数」「金額」「買った理由/売った理由」
  • 保有株の売買ー「銘柄名」「株数」「金額」「騰落率」「損益率」「ポートフォリオに対する寄与度」「売った/買い戻した理由」

騰落率とは「簿価に対するプラス、マイナスの率」
損益額とは「簿価に対しての利益、損失の額」
ポートフォリオに対する寄与度とは「リスクに対してのリターンの割合」
※寄与度=損益額÷ポートフォリオ全体の運用額

成功体験・失敗体験を書き並べる

新規売買の場合は「売買の理由」を記述する。「とにかく話題だったから」なんて一見どうしようもない理由だっていい。とにかくそのときの本音を書くことが大事だ。いまの段階でそれがどうなるかはわからない。

保有銘柄の売りや買戻しの場合は、最初の記録(売買行動)の結末で、現実的な結果だ。損益(利益が出たこと、損をしたこと)に対しての因果関係をできるだけ、はっきりさせよう。 理由が曖昧だったらそれはサイコロ投げの結果のようなもので、再現ができない。回数を重ねていくうち、いずれは良くても手数料分の損をしていくという結果になるはずだ。

明確な意志と決断による結果であれば、これは素直に喜んでいい。そのことを簡単に記述する。とにかく記録を残すことが大事で、こうした記録の積み重ねが、あなたの中に正しい判断基準をもたらすことに繋がる。損失がでた場合も同じで、自分の判断が結果的に間違っていたのか、今回だけのことなのか、記録として残し続けることで将来の投資判断に役立つ。

なぜ、記録についてやかましく言うのか? 株式投資は経験値が大いにモノをいうゲームであり、いろいろな経験を積むことで運用力を高めることが可能だからだ。記録していないと、「経験値」が増えない。十年、二十年選手になってもいつも行き当たりばったりでやっていれば、運用成績が良いはずはないであろう。 (中略) 自分の行動を顧(かえり)みない投資家は、必ず大きな失敗をするということである。

記録を残すということは経験値を積み重ねて自分のものにすることである。どういう行動がどういった結末になるか?という予測が的確にできるようになるという意味ではリスクに対しての予防線としての効果も期待できるから、ぜひ習慣化したほうがいい。

自分の損しやすい行動を記録から読みとって、売買に活かそう。そういう負の行動を極力避ける投資行動が、市場で生き残るうえで最も大切なことだ。記録の形式というのは人それぞれで、決まりはない。年月が経つうちに、重要だと思うものが変わっていくことはあるし、それはあたりまえのことで、そういう経過が追えるのも記録をつけるメリットだと思う。

前日のNYの値動きや、市況を日記形式で書く人もいるけど、ぼくは懐疑的だ。ただ、書けばいいというものでもなくて、たとえば、自分が個別株を専門に扱っていて関連があると思うのなら書けばいいし、そうでないなら書く必要がない。

市場が上がった下がっただけに注目してその原因を探ることは楽しいし、自分を納得させることができるだろうけど、値動きなんてそんなもので説明できるものではないと思う。需要と供給、言い換えると、人間の感情つまり恐れと楽観が市場を動かすと思っているぼくは、よほどの大きなニュース(材料)以外でNYの値動きなんて追っていないし、市況もあまり興味がない。これについては運用スタイルにもよると思うので、参考までに。



あとがき

冒頭で、投資の世界に夢があると書いたけど、それは学歴や身分に左右されない、公平な世界だからというのが理由なんだよね。ちょっと話が逸れるけど、いまも持ち続けている夢の話について触れておきたい思う。 ぼくが株を始めたのは株式委託手数料が自由化された14年以上まえのこと。

たしかそのあたりの頃って、信用取引するにも口座資金が大量に必要で、小口の(少額資金しか持たない)トレーダーには株の現物を買って売る、しばらくしてから再び買うという選択肢しかなかった。 1回の取引で往復(売り買い)5,000円程度かかるから、日計りのデイトレードや短期トレードなんてできるはずもなかった。本格的に始めたのがその数年先で、その頃からネット証券のオンライントレードが普及し始めた。

補足:株の現物を売ると、しばらく資金が拘束される。下落局面で儲けるための”信用売り”は信用取引ができないと使うことができない。信用取引のメリット(デメリットでもある)レバレッジを効かせることもできない。いまでは、信用取引を使うと50万程度の資金で、その3倍の資金量と同等の取引ができる。

その頃、パソコンはソニーのVAIOで、ゲームか2chをチェックするくらいしか使い途(みち)がなかったぼくには、世界の株価がリアルタイムで動くさまに夢中になった。2chの株板に出入りするようになったのもこの頃だったと思う。一度も書き込むことはなかったけどね。

コテハン(固定ハンドルネーム)のBNF、cis、潜伏といった有名人がリアルタイムで書き込んでいたのを興味深く眺めていたぼくは、その後もインターネットバブルの崩壊を運良く生き残り、リーマンショックもなんとか乗り切っていまに至る。彼らは高みに行ってしまったけど、潜伏さんのように夢破れて去った人もたくさんいた。

ぼくが、いまだに夢にしがみ続けているのは、すべてが未来だったあの頃のワクワクするような感情を、この先も持ち続けていたいからだと思う。いまでは現実を客観視できる歳になって、ずいぶんとその夢は小さくなってしまった。ははは。

自分のこれまでと、これからの人生というものを客観視して判断するに、生きている限りお金の問題から逃れることはできないという事実がわかってくる。そういう自分のお金に対する大事なことは学校では教えてくれなかったし、まわりの誰も教えてくれない。この世界では親切に擦り寄ってくる人間ほど、信用してはいけないし、良さそうに見えるものほど、疑ってかからないといけない。

和牛商法や円天詐欺、最近では”いつかはゆかし”アブラハム・プライベートバンク事件などでわかるように、誰にでも簡単に儲かるうまい投資話なんてない。そんなものがあれば、あなたに教える前に自分たちでやっているはずだからだ。

自分で知識を得て、得意な、興味のある分野で資産運用することは正しい選択だ。じゃあ何をやろうかとなったとき、株を選んだ人にとって本書は役に立つ知識に溢れている。

「株が上がっても下がってもしっかり稼ぐ投資のルール」(太田忠/著、日経ビジネス人文庫/刊)

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