「漫画貧乏」で見た、本当は残酷な漫画の業界

    

ぼくはブログで自由を手に入れたいと思う。自由って素晴らしいものに見えるし、人生に選択肢が、雇われ以外の選択肢があるって幸せなことだと思うから。この想いはいまでも変わらない。でも、自由には責任が伴う。

ブログで自由を手に入れるってことはラクじゃない。目の前に広がる自由で青い海はすぐに赤く染まる。情報化社会では、情報は瞬時に共有され、価値を失うからだ。

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ネットをみていると、自由が、いかにも簡単ワンクリックで手に入れられるような錯覚に陥るがそうではないのは、ネオヒルズ族と呼ばれた与沢翼氏のネットビジネスの凋落をみても明らかだ。

秒速で破綻!ネクタイがすべての日本では与沢翼もやっぱりネクタイを締めるべきだった!?

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ぼくは自分の足で歩きたかった

最近読んだ佐藤秀峰さんの「漫画貧乏」で最後に書かれていた文章に「そう、そう」と共感。不自由なぼくの文章を代弁してくれる素晴らしいものだと思うからシェアしよう。

手に入れた自由は荒野の自由でした。どこへでも歩いていける自由は、それほど自由ではありません。無計画に歩き回れば力つきてしまうかもしれないのです。

時々、考えます。「鳥籠の中の自由とどちらが良かったんだろう?」

だけど、僕は自分の足で歩きたかったです。

漫画業界は沈みゆく泥船

「ブラックジャックによろしく」や「海猿」のタイトルは知っていたのだけど、作者の名前は知らなかった。意識するようになったのは、漫画家の財産でもある著作権を放棄して2次使用を許可、一部のコンテンツ(作品)を無料解放したことがきっかけだったように思う。

商業的に成功しているというネットの風評を鵜呑みにしたぼくは、「うまいことをする人もいるもんだなぁ」と妬(ねた)み、羨(うらや)む感情を持ったことを覚えていたのだけど、この本を読んでから考えを少し改めることにした。

漫画家になることが夢でした。だけど、夢にまで見た漫画家という職業はあまりにも過酷でした。

そして、僕は漫画業界の理不尽な仕組みに七転八倒し、ついには電子書籍サイト「漫画 on Web」を作るに至りました。この本はその記録です。

ある大手出版社の発行している週刊誌は毎週発行する度に2,000万円以上の赤字を出しているという。年間で10億円の赤字が出るのを単行本の売り上げで埋める自転車操業の状態が示すのは、雑誌のビジネスモデルの崩壊だろう。著者は漫画雑誌は近い将来なくなるかもしれないと言っている。

ぼくに限っていえば漫画雑誌は「ヤングマガジン」を近所の定食屋で待ち時間に読む程度。「彼岸島」という人気コミックの続きが気になってパラパラと読むのだけど、毎週行くわけでもないから、読む機会も減り、ストーリー展開を追い切れずに興味は失われるばかり。コンビニで昔、よく立ち読みしたっけ。と懐かしく思うくらい漫画雑誌を手にしていない。

雑誌が休刊するということは廃刊とイコールで、多くの漫画家の失業を意味する。だけど、出版社の社員は失業しない。大手総合出版社の30代後半の平均年収は、約1,000万円を超えるそうだけど、漫画家の90%が平均年収1,000円以下。

話はそれだけにとどまらない。出版社の社員の給料は丸々手取りとしてもらえるが、漫画家は、報酬の中からアシスタントや事務所の家賃などの制作に関わるすべてを自分で払っていかなくてはいけない。場合によっては赤字になることだってある。

これだけの売れっ子漫画家でも、業界の旧来通りのビジネスモデルで食っていくのは厳しいと言っている。いってみれば、沈みゆく泥船なのだ。

自由の代償

著者が作った電子書籍サイトの「漫画 on Web」は、漫画家が漫画作品を発表できるプラットフォームだ。そこに、利益の搾取はないという。

「サイトに参加するすべての漫画家が、短期間で黒字化することは難しいだろうが、せめて、システム利用料がネックとなり退会してしまうという事態はさけたい」ということで意見が一致していました。

(中略)

サイトの不具合は直らない。

漫画家は儲からない。

新規開発はできない。

三重苦です。

その中で自分にできることは何だろうと考えました。考えた末、僕は著作の「ブラックジャックによろしく」の全話無料公開に踏み切ることを決断しました。とにかく、話題を作って閲覧者数を増やすことが先決です。

自分の利益を優先するのであれば、無料公開は利益の放棄でしかありませんが、サイトの運営を考えるのであれば、これしかないと思いました。

広告費を無限にかけられるような大企業でもありません。サイトの命運をかけて開始した作品の無料公開は、凄まじい反響を呼びました。

至るところで批判の対象になっていた漫画作品の無料解放と著作権放棄という行動はサイトのために、自由を守るために必要だったということか。結果的にメリットがあったそうだけど、一過性のアクセス増で終わってしまえば、残るのは、著作権を放棄したという代償だけだ。しばらく経過したいまではどうなのだろう。サイトの運営は順調そうに見えるけど。

無料で読む「漫画 on Web」のススメ

実は「漫画貧乏」(佐藤秀峰/著)はkindleで無料で読める。

漫画貧乏kindle版無料 (佐藤秀峰/著)

KindleはAmazonがリリースしたスマホやタブレット専用の公式アプリで、こちらも無料だ。

ぼくがAndroid携帯だからだと思うが、AmazonのPCサイトにアクセスして無料本を追加したあとスマホのKindleを開いたら同期されていた。出先で読んだのだけど、そういう利用方法もあるってことで。

漫画 on Webで読むのもおすすめだ。PCでも快適に読むことができる。しおり機能もあるぞ。こちらも無料!ステマでないので安心してほしい。自分で実際に試してみた感想だ。

すごい漫画家だ。

このクオリティで無料なのだから。しかも出版社を通すよりも利益が残るなんて…。

電子書籍サイト「漫画 on Web」

読みたい無料マンガのページを開いたら”読む”ボタンをクリックしよう。

画面でポイントが「0ポイント」になっているものが無料で楽しめる漫画だ。

電子書籍サイト「漫画 on Web」

専用のビューアーが立ち上がり、本をめくる感覚で読むことができる。そのほかの漫画家による無料本もたくさんある。個人情報を登録したり、特別になにかソフトをダウンロードすることなく利用できる。思ったよりも便利ですごいサイトだ。佐藤秀峰おすすめの無料本は他にもある。

佐藤秀峰の無料本

2014/12/29 追記:サイトリニューアルに伴い、無料で公開されているタイトルは少なくなってしまったようです。リンク更新しています。



「漫画貧乏」

佐藤秀峰「漫画貧乏」

これねぇ、業界目指す人は見ておいて損はない。出版業界と漫画家の構図は、まるで大きな釜と、その中にいるカエルたちのようで、そこは、少しずつ茹だってきているのかもしれないです。

「特攻の島 1巻~5巻」

佐藤秀峰「特攻の島」

1巻~5巻までストリーミング再生なら無料。ダウンロードは有料。六巻以上はストリーミング再生・ダウンロードのどちらも有料。続きが気になって、結局買う…。なんだちくしょう、面白いじゃないか。

「佐藤秀峰デビュー前短編集」

佐藤秀峰「対自核」

  • 浜口
  • 対自核
  • PROMISED LAND
  • 金子さん

佐藤秀峰デビュー前短編集

なかなか。何ごとも続ければプロになれる、の見本。

「示談交渉人M」

佐藤秀峰「示談交渉人M」

全9話で第1話のみ無料。残りはそれぞれ、実質10円で読める。電子書籍に期待するお得感がここにはありますね。

「海猿」

佐藤秀峰「海猿」

無料は第1巻のみ。

「ブラックジャックによろしく」

佐藤秀峰「ブラックジャックによろしく」

漫画で、ぶわっと泣きそうになったのは、最近では「ブラックジャックによろしく」くらいかなぁ。 というか、漫画しばらく読んでいないな。読むならやっぱりこれで、人におすすめするのもこれ。

このクオリティで、全話無料ってすごいですよ。


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